田舎にある広大な田畑や山林を、
相続放棄する事例が全国で後を立たず、
大きな社会問題になりつつあります。
国交省の推計によりますと、
全国の後所有者のうち約12万人、
森林所有者のうち約16万人が、
主に相続放棄によって所在不明になっており、
今後10年間でその数は倍増する見通しとなっています。
田畑、山林を相続放棄する理由
個人が持っている田畑や山林は売ろうと思っても二束三文にしかならず、
相続によって新たに所有者を登記し直す費用の方が高くついてしまうといったケースが多いからです。
また、田畑は各地の農業委員会、3人は各市町村に変更届け出る必要があるなど、
手続きの煩わしさも影響しています。
後所有者のうち7人に1人、森林所有者のうち4人に1人がその土地に住んでいないことを踏まえると、
今後相続放棄され、管理する人もいないまま荒れ果てる土地が、さらに広がるのも無理はありません。
まとめ
宝くじに当たるような確率で、
リゾート開発の話が持ち上がり買い手が急浮上したとしても、
登記漏れがあれば話は流れてしまうだけに、
手続きは怠らないようにしたいものです。
また、地震や洪水などの災害時に、
所在不明の土地が復旧復興の妨げになる事例も増えており、
実態に合わない現在の登記制度の抜本的な見直しなど、
国によるより突っ込んだ改革も求められています。