クマの出没に大きな影響を与える「ブナの実の結実予測」が出されました。
それによると、7月6日に東北森林管理局は、岩手県は今秋にブナがほぼ実らない「皆無」としました。
岩手県ではクマの異常出没が相次ぎ、新聞でも記事を見ない日がないほどで、県は初の「クマ警報」を出していましたが、より一層の警戒が必要となってきました。
・ブナの開花状況と結実予測とは
森林管理局が各地点の開花状況を独自に数値化して平均値を割り出した予測し公表しています。
3.5以上なら「豊作」
2以上3.5未満は「並作」
1以上2未満が「凶作」
1未満は「皆無」とされます。
今回、岩手県は0.3でした。
ブナは、豊作の年にたくさん栄養分を使うため、翌年は凶作になるといわれています。
・ブナの結実とクマの出没の関係
昨年はブナの実が豊作でした。そのためクマの雌の栄養状態が良くて、出産数が増えていると予測されます。
そこにきて、今年ブナが実らなければ、お腹を空かせた子連れクマは餌を求めて人里に降りてくるのは避けられない事実でしょう。
クマの餌が少ないとされる8月が人里に出没する件数が多いといわれますが、今年は秋以降も餌に困り人里に現れる機会が増えると見込まれています。
・ブナの結実以外のクマ出没の要因
かつては、農地や宅地の拡大、広葉樹の伐採でクマの生息域が縮小し、絶滅が危ぶまれてきました。
しかし最近は様子が違い立場が逆転したのではないかと思われる程。
人を恐れない「新世代のクマ」が登場してしまったのです。
その原因として、農村の過疎化によってクマと人間の緩衝地帯であった里山が荒れ果てて、
耕作放棄地が増えたことで、クマが活動しやすくなっていることが指摘されています。
くわえて狩猟者の高齢化や減少によって怖い思いをして人間に対する警戒心をもったクマが少なくなったこともあります。
広葉樹の里山に人手を入れて整備する活動をもっともっと増やして行くことが大切だと思います。