移住を検討している人にとって、「いつ空き家を探すべきか?」は非常に重要なポイントです。
せっかくの移住計画、理想の物件を見つけたいなら、タイミングを味方にするのが賢い選択。
この記事では、空き家が市場に多く出回る時期や、値段が下がる季節、また物件選びや不動産会社との付き合い方まで、プロの目線で詳しく解説します。
無駄な出費を抑え、理想の住まいを見つけるためのヒントが満載です!
空き家を探すベストな時期とタイミングを解説
空き家が増える時期の特徴とは
空き家が増える傾向にあるのは、年度末(2〜3月)や年末(12月)です。
これは、相続や転勤、引っ越しなど人生の節目に関わる出来事がこの時期に集中しやすいためです。
3月は特に「引っ越しシーズン」と重なり、住み替えによって手放される住宅や賃貸に切り替えられる物件が急増します。
また、年末には家族間での話し合いが行われやすく、空き家の売却や活用が進みやすくなります。
加えて、冬季は家屋の傷みが目立ちやすいため、維持管理が面倒に感じた所有者が売却を決断するケースもあるのです。
多い時期・やすい時期はいつ?データ・指数から読み解く
国土交通省の「空き家実態調査」や不動産流通の市場動向データによると、空き家の流通は春(3〜5月)と秋(9〜11月)に活発化する傾向があります。
この時期は気候的にも動きやすく、内見や移動がしやすいことが理由です。
また、不動産価格の推移を見ても、夏(6〜8月)や年末年始(12〜1月)は比較的価格が下がる傾向があるため、掘り出し物件に出会える可能性が高くなります。
特に梅雨や寒波などで人の動きが鈍くなる時期は、需要が落ち着き、売り手側の価格交渉に応じやすくなるのです。
したがって、6月〜7月や12月〜1月は空き家購入を検討するには狙い目の時期と言えます。
家を買うなら何月がベスト?季節ごとの傾向と予測
・春(3〜4月):新年度スタートに合わせて物件数が豊富に出る一方、移住希望者や新生活を始める人が多く競争率が非常に高くなる。
・夏(6〜7月):気温の高さから内見件数は減るが、その分ゆっくりと交渉ができ、価格交渉の余地も出てくる。
売り急ぎの物件が多い場合も。
・秋(9〜10月):企業の人事異動や転勤が多く、急ぎで売りたい物件が出回る。
気候も穏やかで内見がしやすく、選択肢が豊富。
・冬(12〜1月):年末年始は市場が一時的に静まり、購入希望者も少ないため、売主の値下げ対応が期待できる。
じっくり物件を選びたい人に向いている反面、物件数はやや減少気味。
空き家物件の選び方と判断ポイント
物件の価格・相場・査定方法を徹底調査
空き家を選ぶ際には、まず地域全体の価格相場と比較することが非常に重要です。
同じエリアでも立地条件や駅からの距離、周辺のインフラ状況などによって大きく価格が異なります。
実際の成約事例を確認するには、「不動産ジャパン」や「レインズマーケットインフォメーション」などの公的データベースを積極的に活用しましょう。
また、査定では建物の築年数、構造(木造・鉄筋コンクリート)、延床面積、土地面積の他、過去の修繕歴や雨漏りの有無、耐震性、シロアリ被害の履歴なども評価基準となります。
地域の建築規制や都市計画法の影響も確認しておくと、のちのトラブルを避けやすくなります。
第三者のホームインスペクション(建物状況調査)を依頼するのも安心材料になります。
中古物件・中古住宅・新築のメリットとデメリット
中古物件の魅力は、なんといっても価格の安さと立地の選択肢の多さです。
古くても駅近など好立地な物件を安く手に入れられる可能性があります。
加えて、リノベーションを前提とすれば間取りの自由度が高く、自分好みにカスタマイズできます。
ただし、耐震性能や断熱性、配管や電気系統など、構造面の老朽化についてはしっかり確認が必要です。
一方、新築物件は最新の設備や設計基準を満たしており、初期の修繕リスクが少なく済む反面、価格が高くなりがちです。
また、新築でも郊外に偏る傾向があるため、日常の利便性や通勤・通学を考慮する必要があります。
購入後のメンテナンスコストや資産価値の下落リスクなども視野に入れて選びましょう。
部屋探し・ファミリー物件・マンション・戸建ての選択肢
一人暮らしの場合は、防犯性や利便性を重視したマンションタイプが人気です。
管理費はかかりますが、共用部分の清掃や修繕が任されているため、手間が少なくて済みます。
ファミリー世帯であれば、子育て環境や学校区などを考慮して、広めの戸建て住宅が選ばれる傾向にあります。
庭や駐車場付きの物件なら生活の幅も広がります。
さらに、古民家などの趣ある空き家は、田舎暮らしやDIYリノベーションを楽しみたい層に人気があり、観光業や飲食業などへの転用も可能です。
マンション、戸建て、古民家といった選択肢の中で、自分や家族のライフスタイルや将来的な展望に最も合うものを見極めることが成功の鍵になります。
不動産会社の選び方と交渉術
スーモなど人気不動産サイト・会社の活用法
物件探しには「スーモ」「アットホーム」「ホームズ」といった大手の不動産ポータルサイトが非常に便利です。
掲載件数が多く、地図検索やエリア絞り込み、リノベーション向き物件の特集など、目的に応じた検索機能が充実しています。
また、口コミや実際の利用者レビューも参考になる情報源となります。
さらに、各不動産会社が独自に掲載している情報もチェックすることで、同じ物件でも異なる条件(価格・仲介手数料など)で紹介されていることがあります。
一方で、インターネットに掲載されていない“未公開物件”や“登録会員限定情報”を扱っている地元業者も見逃せません。
そうした業者は、地元の地主や大家とつながりが深く、空き家の情報をいち早く入手している場合があります。
地場に強い不動産会社の活用は、思わぬ掘り出し物を見つける近道となることもあります。
不動産会社や自治体への相談・査定の流れ
気になる物件を見つけたら、まずは問い合わせフォームや電話で連絡し、物件の詳細情報や内見予約の手続きを進めましょう。
内見時には、建物の状態だけでなく、周囲の環境やアクセスの利便性、日当たりや風通しもチェックポイントです。
もし購入を具体的に検討する場合は、簡易査定やリフォーム費用の概算見積もりを依頼すると、総費用のイメージがつかみやすくなります。
さらに、地方自治体によっては「空き家バンク」を運営しており、登録すると移住支援制度や補助金制度を紹介してもらえるケースもあります。
中には現地ツアーや滞在体験ができる制度を設けている自治体もあり、じっくりと物件を選ぶ上での大きな助けとなります。
交渉や値切れるポイント・判断基準
空き家の購入を検討する際、価格交渉は十分に可能です。
交渉の材料としては、築年数が経過していること、リフォームが必要な箇所が多いこと、同じ地域で売り出されている類似物件の価格差などが挙げられます。
特に、長期間売れ残っている物件や、相続による急ぎの売却案件などは、売主側が価格に柔軟なことが多いです。
また、雨漏り、ひび割れ、シロアリ被害といった構造上の問題がある場合には、修繕コストを根拠に交渉することが有効です。
提示価格に対して、具体的なリフォーム費用や補修必要箇所を一覧にして説明できると、交渉がスムーズになります。
場合によっては、家具や家電付きでの交渉も可能なので、全体的なコストパフォーマンスを見ながら進めていくのが良いでしょう。
空き家購入・売却時に知っておきたいお金・税金の知識
固定資産税・家賃・住宅ローン・金利の現状と変動
固定資産税は建物の築年数や土地の広さ、地価、建物の構造などによって大きく変動します。
たとえ居住していない空き家であっても、所有している限り毎年課税されるため、長期的な維持コストとして無視できません。
また、老朽化した建物は固定資産評価額が下がる一方、土地の評価が高ければ負担が重くなるケースもあります。
家賃収入がない状態での税負担を軽減するには、賃貸活用や売却などの選択も視野に入れる必要があります。
住宅ローンについては、現在も低金利状態が続いており、借り入れしやすい状況ではありますが、物件の築年数や状態が審査基準に影響します。
築古の空き家や耐震基準を満たさない住宅は、金融機関によってはローン対象外になることもあるため、事前の相談が重要です。
ローンを組む場合は、金利タイプ(固定・変動)や返済年数、団信(団体信用生命保険)の有無なども比較検討しましょう。
売却・購入時の相続・税金・費用について
空き家を購入する際には、物件価格のほかに諸費用がかかります。
主な内訳は、仲介手数料(通常は売買価格の3%+6万円+消費税)、登記費用(所有権移転登記、抵当権設定登記など)、印紙税(契約書に応じて課税)などです。
加えて、住宅ローンを利用する場合には融資事務手数料や保証料も発生します。
売却する側では、譲渡所得税が発生することがあります。
特に相続した空き家を売る場合は、相続登記の手続きや相続税の申告も関係してきます。
ただし、一定の条件を満たすと「空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除」が適用できる場合があり、税負担を大幅に抑えることが可能です。
適用条件や必要書類については、税理士や専門家に早めに確認することが大切です。
直接買うかローンを組むか?年数や平均価格もチェック
空き家購入では、現金一括で購入するか、住宅ローンを利用するかで購入スタイルが大きく異なります。
現金購入は手続きがスピーディーで、売主との価格交渉において有利になることが多いですが、一度に多額の資金が拘束される点がデメリットです。
一方、ローンを組めば手元に資金を残しながら購入できますが、長期的な返済計画と金利の変動リスクを考慮する必要があります。
また、空き家の価格帯は地域差が大きく、都市部では1,000万円を超えることもあれば、地方の郊外や過疎地域では200万円以下のケースも珍しくありません。
ただし、築年数が古い物件はそのままでは住めないことも多く、修繕やリフォーム費用が必要となります。
例えば、屋根や水回りの改修、断熱材の入れ替えなどで数百万円かかるケースもあります。
事前に改修見積もりを取り、トータルコストで比較検討することが重要です。
まとめ
空き家を探すなら、時期の選び方から始めるのが成功の鍵です。
春や秋は物件数が多く、夏や冬は価格が下がりやすいという季節的な傾向を意識することで、より効率的な住まい探しが可能になります。
また、物件の相場や建物の状態、地域特性を把握しながら、不動産会社と賢く付き合うことも大切です。
税金や費用の仕組みを知っておくことで、予期せぬ出費も防げます。
この記事で紹介したポイントを活かして、理想の移住先を見つけてください。