地域おこし協力隊員が高齢農家の出荷代行をする

   

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・「庭先野菜の出荷代行サービス」とは

「庭先野菜の出荷代行サービス」とは、

車がなく出荷手段に乏しい高齢の農家宅を巡回して農作物を集荷し、

代わりに村内の直売所などに運んであげるサービスです。

集荷希望の有無は家の前に立てた旗の色が目印で、

集荷を希望する場合には黄色、

希望しないときは水色の旗が掲げられるというもの。

たまに旗が出ていないと、気になるので、高齢者の見守りの役割も果たすことになります。

一石二鳥の効率的なシステムではないでしょうか。

福岡県の東峰村 ではこの「庭先野菜の出荷代行サービス」を地域おこし協力隊員にお任せしています。

・「庭先野菜の出荷代行サービス」 の料金体系、メリット

 直売所に出荷する場合、

売り上げから販売手数料17%と商品に貼るシール(1枚2円)を差し引いたものが農家の収入となります。

多い人で月に2万~3万円の収入になります。

 丸々としたソラマメを用意して待っていた宝珠山竹地区の熊谷さん(85) は

「年金生活やけん、ちょっとの収入もうれしい」とのこと。

車の免許はなく、 かつては野菜を入れたカゴを背負って近くの直売所まで歩いた時代もあったが、

今は清水さんが週に2日来て、世間話にも付き合ってくれる。

「孫が来るみたいに 楽しみ」と笑顔をみせている。

・「地域おこし協力隊」と「庭先野菜の出荷代行サービス」

 この出荷代行サービスを任されているのは地域おこし協力隊員の 清水さん です。

大阪府 枚方市から応募してやってきました。

勢いで飛び込んだ村の暮らしでしたが、コンビニがないことよりも戸惑ったのは、人付き合いの濃さでした。

寄り合いや地域行事も多く、これまでと違う人との関係に慣れず、悩んだそうです。

そんなときに任されたのが出荷代行サービスでした。

 自ら直売所などと話し合いを重ね、昨年7月に運営開始。

実際に契約農家を回り始めると、

「自分が作った野菜が店に並ぶのがうれしい」

「畑仕事が生きがいになった」と喜ばれました。

清水さんにとっても農家を訪ねることは、心の癒やしになったといいます。

「布団が干してあったり、ほっかぶり姿だったり。

飾らず自然体で接してくれるから、つ らいときも気持ちがふっと楽になれたんです」。

ふと見た夕暮れや、夜空を埋め尽くす星の美しさ、そして人の温かさ…。

いつしか村の暮らしになじんでいる自分がいました。

 協力隊の任期は残り1年8カ月。

任期切れの後も 村に残るためには任期中に仕事をしながら生活基盤を立てておかなければなりません。

農家にとって収益性の高い野菜の苗を栽培して販売するのはどうか、新しい村の特産品を開発できないか、などなどアイデアを巡らせています。

 村とかJAとかが直轄でこのような「庭先野菜の出荷代行サービス」をするのは、

たぶん採算が合わないからやらなかったのでしょう。

国から人件費の補助が出る地域おこし協力隊員に、

この「庭先野菜の出荷代行サービス」してもらうというのはとてもよいアイデアです。

地域おこし協力隊員にはそれぞれ任期がありますが、

このサービスは継続していってもらいたいものです。

・地域おこし協力隊とは

都市部から過疎地に移住し、地域づくりに取り組む人を自治体が委嘱する。

期間は1~3年。

隊員の活動や研修などの経費として国が1人当たり最大400万円 を助成する。

2009年度の制度開始以来、隊員数は年々増え、15年度は673自治体で計2625人が活動。

任期終了後、隊員の約6割は引き続き同じ地域 に定住しており、うち約2割が起業している。

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